■決まり字について
百人一首(競技かるた)は、読まれた「上の句」に対応する「下の句」を取る競技です。
よって、「上の句」 と「下の句」の対応関係を100種類すべて覚えねばなりませんが、実は、全文を覚える必要はありません。
■「上の句」の覚える部分
「上の句」が読まれ始めてから「下の句」を取って良い事が確定するまでの先頭の数文字のことを「決まり字」と呼びます。
この「決まり字」は、句によって違い、1文字から、長いもので6文字になっています。
「上の句」はこの「決まり字」だけを覚えれば良い事になります。
この一覧では、この「決まり字」を赤字で表示します。
■「下の句」の覚える部分
「下の句」は、場に並べられ見えていますから、その造形で覚えるという人もいますが、初めのうちは「下の句」を読む事になると思います。
この「下の句」にも、その「下の句」である事を特定できる「下の句」の決まり字があり、この一覧では、その部分を青字で表示します。
■決まり字一覧について
上記より、この一覧の赤字、青字の部分だけを覚えるのが、もっとも効率の良い(覚えねばならないことが少ない)覚え方という事になります。
この一覧では「上の句」は読まれる「音」で表記し、「下の句」は「取り札」の印字通りに表記します。
「上の句」は耳で聞いて「音」で判断せねばなりませんし、「下の句」は札を目で見て「文字」で判断せねばならないため、それに合わせた形にしています。
■決まり字一覧
【1】一枚札(むすめふさほせ)
上の句 | 下の句 |
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む らさめの つゆもまだひぬ まきのはに | き りたちのほるあきのゆふくれ |
す みのえの きしによるなみ よるさえや | ゆめ のかよひちひとめよくらむ |
め ぐりあいて みしやそれとも わかぬまに | くもか くれにしよはのつきかな |
ふ くからに あきのくさきの しおるれば | むへ やまかせをあらしといふらむ |
さ びしさに やどをたちいでて ながむれば | いつこ もおなしあきのゆふくれ |
ほ ととぎす なきつるかたを ながむれば | たた ありあけのつきそのこれる |
せ をはやみ いわにせかるる たきがわの | われ てもすゑにあはむとそおもふ |
【2】二枚札(うつしもゆ)
上の句 | 下の句 |
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うか りける ひとをはつせの やまおろし | はけ しかれとはいのらぬものを |
うらみわび ほさぬそでだに あるものを | こひに くちなむなこそをしけれ |
つき みれば ちぢにものこそ かなしけれ | わかみひ とつのあきにはあらねと |
つく ばねの みねよりおつる みなのがわ | こひそ つもりてふちとなりぬる |
しのぶれど いろにいでにけり わがこいは | もの やおもふとひとのとふまて |
しらつゆに かぜのふきしく あきののは | つ らぬきとめぬたまそちりける |
もも しきや ふるきのきばの しのぶにも | なほあ まりあるむかしなりけり |
もろ ともに あわれとおもえ やまざくら | はなよ りほかにしるひともなし |
ゆうされば かどたのいなば おとずれて | あし のまろやにあきかせそふく |
ゆら のとを わたるふなびと かじをたえ | ゆく へもしらぬこひのみちかな |
【3】三枚札(いちひき)
上の句 | 下の句 |
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いに しえの ならのみやこの やえざくら | けふこ このへににほひぬるかな |
いまこ んと いいしばかりに ながつきの | あり あけのつきをまちいてつるかな |
いまは ただ おもいたえなんと ばかりを | ひとつ てならていふよしもかな |
ちぎりお きし させもがつゆを いのちにて | あはれ ことしのあきもいぬめり |
ちぎりき な かたみにそでを しぼりつつ | す ゑのまつやまなみこさしとは |
ちは やぶる かみよもきかず たつたがわ | から くれなゐにみつくくるとは |
ひさ かたの ひかりのどけき はるのひに | しつ こころなくはなのちるらむ |
ひとは いさ こころもしらず ふるさとは | はなそ むかしのかににほひける |
ひとも おし ひともうらめし あじきなく | よをお もふゆゑにものおもふみは |
きみがため お しからざりし いのちさえ | なかく もかなとおもひけるかな |
きみがため は るののにいでて わかなつむ | わかころもてに ゆきはふりつつ |
きり ぎりす なくやしもよの さむしろに | ころもか たしきひとりかもねむ |
【4】四枚札(はやよか)
上の句 | 下の句 |
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はなさそう あらしのにわの ゆきならで | ふり ゆくものはわかみなりけり |
はなの いろは うつりにけりな いたずらに | わかみよ にふるなかめせしまに |
はるす ぎて なつきにけらし しろたえの | ころもほ すてふあまのかくやま |
はるの よの ゆめばかりなる たまくらに | かひ なくたたむなこそをしけれ |
やえ むぐら しげれるやどの さびしきに | ひとこそみ えねあきはきにけり |
やす らわで ねなましものを さよふけて | かた ふくまてのつきをみしかな |
やまが わに かぜのかけたる しがらみは | なかれ もあへぬもみちなりけり |
やまざ とは ふゆぞさびしさ まさりける | ひとめ もくさもかれぬとおもへは |
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ | あまの おふねのつなてかなしも |
よのなかよ みちこそなけれ おもいいる | やま のおくにもしかそなくなる |
よも すがら ものおもうころは あけやらで | ね やのひまさへつれなかりけり |
よを こめて とりのそらねは はかるとも | よに あふさかのせきはゆるさし |
かく とだに えやわいぶきの さしもぐさ | さ しもしらしなもゆるおもひを |
かさ さぎの わたせるはしに おくしもの | しろ きをみれはよそふけにける |
かぜそ よぐ ならのおがわの ゆうぐれは | みそ きそなつのしるしなりける |
かぜを いたみ いわうつなみの おのれのみ | くた けてものをおもふころかな |
【5】五枚札(み)
上の句 | 下の句 |
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みかき もり えじのたくひの よるはもえ | ひる はきえつつものをこそおもへ |
みかの はら わきてながるる いずみがわ | いつみ きとてかこひしかるらむ |
みせ ばやな おじまのあまの そでだにも | ぬ れにそぬれしいろはかはらす |
みち のくの しのぶもじずり たれゆえに | みたれそ めにしわれならなくに |
みよ しのの やまのあきかぜ さよふけて | ふる さとさむくころもうつなり |
【6】六枚札(たこ)
上の句 | 下の句 |
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たか さごの おのえのさくら さきにけり | と やまのかすみたたすもあらなむ |
たき のおとは たえてひさしくなりぬれど | なこ そなかれてなほきこえけれ |
たご のうらに うちいでてみれば しろたえの | ふし のたかねにゆきはふりつつ |
たち わかれ いなばのやまの みねにおうる | まつと しきかはいまかへりこむ |
たま のおよ たえなばたえね ながらえば | しの ふることのよはりもそする |
たれ をかも しるひとにせん たかさごの | まつも むかしのともならなくに |
こい すちょう わがなはまだき たちにけり | ひとしれすこそおもひそめしか |
こころあ てに おらばやおらん はつしもの | お きまとはせるしらきくのはな |
こころに も あらでうきよに ながらえば | こひし かるへきよはのつきかな |
こぬ ひとを まつほのうらの ゆうなぎに | やく やもしほのみもこかれつつ |
この たびは ぬさもとりあえず たむけやま | もみ ちのにしきかみのまにまに |
これ やこの ゆくもかえるも わかれては | しる もしらぬもあふさかのせき |
【7】七枚札(おわ)
上の句 | 下の句 |
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おおえ やま いくののみちの とおければ | また ふみもみすあまのはしたて |
おおけ なく うきよのたみに おおうかな | わかた つそまにすみそめのそて |
おおこ との たえてしなくば なかなかに | ひとを もみをもうらみさらまし |
おく やまに もみじふみわけ なくしかの | こゑ きくときそあきはかなしき |
おぐ らやま みねのもみじば こころあらば | いまひとたひのみ ゆきまたなむ |
おと にきく たかしのはまの あだなみは | かけ しやそてのぬれもこそすれ |
おも いわび さてもいのちは あるものを | うき にたへぬはなみたなりけり |
わがい おは みやこのたつみ しかぞすむ | よをう ちやまとひとはいふなり |
わがそ では しおひにみえぬ おきのいしの | ひとこそし らねかはくまもなし |
わすら るる みをばおもわず ちかいてし | ひとの いのちのをしくもあるかな |
わすれ じの ゆくすえまでは かたければ | けふを かきりのいのちともかな |
わたのはら こ ぎいでてみれば ひさかたの | くもゐ にまかふおきつしらなみ |
わたのはら や そしまかけて こぎいでぬと | ひとには つけよあまのつりふね |
わび ぬれば いまはたおなじ なにわなる | みをつくしても あはむとそおもふ |
【8】八枚札(な)
上の句 | 下の句 |
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ながか らん こころもしらず くろかみの | みたれて けさはものをこそおもへ |
ながら えば またこのごろや しのばれん | うし とみしよそいまはこひしき |
なげき つつ ひとりぬるよの あくるまは | いか にひさしきものとかはしる |
なげけ とて つきやはものを おもわする | かこ ちかほなるわかなみたかな |
なつ のよは まだよいながら あけぬるを | くもの いつこにつきやとるらむ |
なにし おわば おおさかやまの さねかずら | ひとにし られてくるよしもかな |
なにわえ の あしのかりねの ひとよゆえ | みをつくしてや こひわたるへき |
なにわが た みじかきあしの ふしのまも | あはて このよをすくしてよとや |
【9】十六枚札(あ)
上の句 | 下の句 |
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あい みての のちのこころにくらぶれば | むか しはものをおもはさりけり |
あきか ぜに たなびくくもの たえまより | もれ いつるつきのかけのさやけさ |
あきの たの かりおのいおの とまをあらみ | わかころもては つゆにぬれつつ |
あけ ぬれば くるるものとは しりながら | なほう らめしきあさほらけかな |
あさじ うの おののしのはら しのぶれど | あまり てなとかひとのこひしき |
あさぼらけ あ りあけのつきと みるまでに | よし ののさとにふれるしらゆき |
あさぼらけ う じのかわぎり たえだえに | あら はれわたるせせのあしろき |
あし びきの やまどりのおの しだりおの | なかな かしよをひとりかもねむ |
あまつ かぜ くものかよいじ ふきとじよ | を とめのすかたしはしととめむ |
あまの はら ふりさけみれば かすがなる | みか さのやまにいてしつきかも |
あらざ らん このよのほかの おもいでに | いまひとたひのあ ふこともかな |
あらし ふく みむろのやまの もみじばは | たつ たのかはのにしきなりけり |
ありあ けの つれなくみえし わかれより | あか つきはかりうきものはなし |
ありま やま いなのささはら かぜふけば | いて そよひとをわすれやはする |
あわじ しま かようちどりの なくこえに | いく よねさめぬすまのせきもり |
あわれ とも いうべきひとは おもおえで | みの いたつらになりぬへきかな |
■百人一首に必要な記憶
百人一首(競技かるた)といえば「上の句」を聞いて「下の句」を思い出す記憶方法をイメージされる方が多いと思いますが、実際の試合で「上の句」を聞いてから「下の句」を思い出して探す。ということはほぼありません。
必要なのは「取り札(下の句)」を見て「決まり字(上の句)」を思い出す記憶方法です。
なお「札落とし」アプリにも、上記の「決まり字一覧」が掲載されていますので「札落とし」をしながら、随時、決まり字の対応関係を確認する練習方法が可能になっています。
ぜひ「札落とし」をお使い頂いて、試合に勝つために必要な「取り札」から「決まり字」を思い出すことのできる記憶の強化をしてください。
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